WJ24号※ネタばれがございますので、ご注意くださいね。引用は「」もしくは()抜きしてます。任意で句読点を付しています。

解放したハリベルのひと振りで右肩から斬り落とされた日番谷くんは、上空から瓦礫の中に叩きつけられます。
眼前の敵を倒したことに、歓喜の表情はもとより一切の感情を表すこともなく立ち尽くしていたハリベルはやがて、山じいのほうへと視線を移します。それにちらりと一瞥をくれてやる山じい。
「次はお前だ」「三人の仇を討たせて貰う」山じいをひと睨みし、刀を構える素振りを見せるハリベル・・・その目もとに素早い剣戟が飛び込みます。気配なく瞬時にハリベルの横を取った日番谷くんの大きな斬撃でした。それを間一髪で躱し、応戦するハリベル。
「…どういう事だ」静かに尋ねるハリベルに、「解放していきなり、あんなに攻撃の速度と射程が上がるとは思わなかった」ハリベルの攻撃を躱し下がりながら、日番谷くんは答えます。
「…念を入れといて良かったぜ」日番谷くんの言葉に、先程日番谷くんの半身を斬った方向を見遣ると、そこに立っていた日番谷くんの姿に大きな罅が入ったかと思うと、そのままガシャン…と砕け散ったのでした。ハリベルが斬りつけたのは、氷輪丸の氷で作られた日番谷くんの分身だったのでした。
「こんな騙し討ち、一回しか使えねえから 本当はギリギリまで使いたくはなかったんだけどな」砕け散る氷の向こうで、日番谷くんの言葉に黙したままのハリベル。
「…見誤るなよ、死神(おれたち)の力を」ハリベルを静かに見据え、氷輪丸を構える日番谷くん。冷静に見返すハリベル・・・


一方、巨斧を事も無げに操るバラガンに苦戦を強いられる砕蜂と大前田。バラガンは、そのひと撫ででコンクリートの高層住宅をもなぎ倒します。
しかし、斧が大きいため次の動きに移るまでに隙が生じ、素早い動きでバラガンの背後を捉える砕蜂。後頭部に閃光のような蹴りが決まろうとした直前・・・、砕蜂は自分の足に違和感を感じます。
(まただ! こいつに当たる寸前になると、蹴りの速度が急速に遅くなる――)砕蜂が戸惑いを感じていると、ガッとバラガンに足首を掴まれ振り投げられてしまいます。
「隊長ォ!!」民家の屋根に叩きつけられた砕蜂を案じ、大前田が叫びます。それにすぐさま「騒ぐな。問題無い」と体勢を立て直す砕蜂。しかし、心中ではバラガンの能力を推し量ろうとしつつも定めかねていました。
(霊圧に押されて動きが鈍るのとは違う…私自身の動きが遅くなっているのだ…)(重力を操っているのか…?それとも筋組織や運動神経に直接働きかける能力か――…!?)どの推測も確証を得ず得心のいかぬ砕蜂。その様子を察知してか、「解せんか」とひと言、バラガンが抛ります。
「儂の能力がどういうものか、判断がつかずに迷っておるのじゃろう」バラガンは砕蜂を見下ろします。
「十刃には、それぞれが司る死の形がある」「それは人間が死に至る10の要素だ。それは、十刃それぞれの能力であり、思想であり、存在理由でもある。」そう言ってバラガンは各十刃に宛がわれた要素を示します。
第1十刃スタークは「孤独」、第2十刃・ハリベルは「犠牲」、第4十刃・ウルキオラは「虚無」、第5十刃・ノイトラは「絶望」、第6十刃・グリムジョーには「破壊」、第7十刃・ゾマリには「陶酔」、第8十刃・ザエルアポロには「狂気」、第9十刃・アーロニーロには「強欲」、そして第10(0)十刃・ヤミーには「憤怒」・・・
「そして儂の司る死の形は」砕蜂を見下ろす眼にバラガンは力が籠ります。―――「“老い”」そう言い放ったバラガンは、恐怖を煽るかのように自分のほうを見上げる砕蜂へ手を翳します。
「“老い”とは“時間”。最も強大で最も絶対的な、あらゆる存在の前に立ち塞がる死の力だ」バラガンの言葉に目を瞠り言葉もない砕蜂。その次の瞬間、上空で話を続けていたと思っていたバラガンは、屋根の上で座り込んでいた砕蜂の左肩に手をかけていました。
(いつの間に――!)うち驚くや否や砕蜂は瞬時に飛び上がり、バラガンから離れます。するとバラガンは、それを追うでもなく振り向き様にちらりと目を遣るだけです。「こうして意志を持って触れれば、それだけで 貴様の骨だけ*1を“老い”に沈めることもできる」冷徹な表情でバラガンが言葉を放つと、その傍らでボギュッ*2と重く鈍い音がします。
その音の鳴ったほうに目を遣る砕蜂――鈍い音が聞こえてきたのは自分の左腕からでした・・・そしてその左腕はあらぬ方向に捻じ曲げられたような格好になっています。
直接強い衝撃が加えられた形跡もなかったのに、自由が利かなくなっている華奢な自分の腕に「そんな………馬鹿な…!」と驚き、声をあげる砕蜂
「理解できまい…死というものはそういうものだ」バラガンは、先程まで砕蜂がいた屋根の上に立ったままでした。ゆっくりと自分の武器である巨大な斧を屋根から引き抜きながら、「そしてここから先、この戦いが終わるまで、貴様の頭で理解できることなど何一つ起こる事は無い」と語ります。
巨大な斧が左右に対になって装着されているバラガンの武器。そのふたつの斧を結んだ部分には大きな石のようなものが象嵌されています。
バラガンの「朽ちろ、『髑髏大帝(アロガンテ)』」の言葉(解号?)に、その石は見開いた眼のようになり、おどろおどろしい黒い影を辺りに放ちます。その黒い影はバラガンのほうへ集まり、やがて全身を包みます。
驚き目を瞠る砕蜂の目の前に再び現れたのは、瀟洒な王冠と首飾りと黒衣を纏った骸骨の姿でした・・・。今週はここで了。




連休前は袈裟掛けに斬られた日番谷くんに、この先どーなるんだよ!!!?とかなり焦りましたが、無事でよかったー…!氷分身(勝手に命名)なんて、よく考えたもんです!(なんか偉そーな物言いだな・笑)
日番谷くんとハリベルの戦いが、双方の強さを描き切る前に、諸般の事情につきこの戦いは割愛ですーみたいになったらやだなーと、本気で心配してました…。日番谷くんもハリベルも魅力あるキャラクターだと思いますので、戦いの中で各々の強さや考えなどが表現されることを期待してます。(ハリベルの従属官たち3人ももう少し出番あったらよかったのになぁ。。。)
それはそうと、「三人の仇を討たせて貰う」とハリベルが山じいに言っているので、やっぱりアパッチやミラ・ローズ、スンスンは怪我では済まなかった…ってことなんですかね…。三人とも楽しくてハリベルを心から尊敬してるようで好きだったので、一縷の望みを持っていたのですが。。。はぁ、やっぱ大甘ちゃんだったってことかぁー・・・
それからバラガン陛下の、十刃たちそれぞれと死に至る10の要素はよくできてるなーと思いました。(要素自体が云々ではなくて、物語の機能として。)ジャンバンでライブ感を重視してるみたいに仰ってた先生だけど、やっぱりちゃんと、各登場人物の役割や行動をのちになんらかの形で集約するようにしてるってことですよね〜。まー死なんのが一番かなと私自身は思うんですが、先に倒れてしまった登場人物たちにも物語の中で意味を持たせてるところに、今回は感慨深くなりました。
でもそれって、スタークは孤独の裡に倒れてしまう…ってことなんでしょうか…??それはいやだなぁ・・・想像しただけで悲しくなってくるので、京楽さん、スタークをやっつけないでおくれよぅって気にも・・・(もちろん、京楽さんにも倒れてほしくないですよ!!)てか、浮竹さんはどこ?リリネットをまだ説得してるのかな。それとも、何週か後に解放してとんでもなく強さインフレになってるリリネットと対峙してる様子とかが突然出てきたりするんすか!!?
それと、バラガンが老化じゃなくって老いに沈めるって言葉を使ってるとこに、なんかある種の矜持を感じましたよ。。電車で席譲ったら怒られそうです・・・(泣)

ところで、今冬はワ/ン/ピ/ー/スの映画が上映されるそうなんですね。…てことは、今度の冬はBLEACH映画がない!!!?ってことなんでしょうか??来春にでもあるといいなぁー…。
(…と恋次ファンの友人と話していたら、なんでか映画化不能と言われた(笑)「い/ぬ/ま/る/だ/し/っ」を映画化したいよねえーという話になっていた・笑)

*1:原文では「骨だけ」に傍点あり。

*2:原作の擬音語のまま。