WJ18※ネタばれがございますので、ご注意くださいね!引用は「」抜き、任意で句読点を付しています。

「うそだよ……あれが本当に…… 黒崎くんなの……?」座り込み、うろたえる織姫ちゃんは、石田くんに肩を支えられながら呟きます。
足には獣のような爪。ウルキオラの腕をもいだ返り血を、何の声も上げず少しも表情を変えることなく受ける一護。
その眼下には左腕を奪い取られ、荒く息をつくウルキオラの姿があります。一護を地上からひと睨みすると、ウルキオラは二の腕から下を失った左腕をバッと伸ばします。伸ばしたかと思うと、ウルキオラの傷口からは黒い骨のようなものが現れ、みるみるうちに腕を形作っていきました。
再生されたばかりの手指をパキパキと慣らすと、ウルキオラは「…俺の能力の最たるものは攻撃性能じゃない 再生だ」と一護を見据え語ります。「強大な力と引き換えに、超速再生能力の大半を失う破面達の中で 俺だけが、脳と臓器以外の全ての体構造を超速再生できる」と、ウルキオラは自分の能力について明かします。
そして「幾らお前の攻撃能力が高まろうと、腕を一本もいだ*1くらいで動きを止めて様子を見ているようでは この俺を倒すことなど不可能だ」そう言ってウルキオラは胸の前の両手を構えます。ふたつの掌の間には力が集まり、やがてそれは槍のような形に変じます。「雷霆の槍(ランサ・デル・レランバーゴ)」ウルキオラの目はしっかりと一護を捉えます。
「近付くなよ そこに居ろ。できればこいつを、近くで撃ちたくはない*2」張り詰めるような音が響き、ウルキオラは槍に力を込めると、右手だけで軽々と槍を一護へと抛ります。ウルキオラが軽く放ったかのように見えた槍は激しい勢いで一護目掛けて飛んでいきますが、その強大な力ゆえか軌道を制御するのが難しいためか、一護の右肩の上を通り抜けていってしまいます。しかし、着弾したそれは凄まじい勢いで砂柱を上げます。
「やはり扱いが難しいな…」と零しながら、ウルキオラはすぐさま二撃目を用意します。「…あいつ… あんな技を何発も撃てるのか…!!」インターバルなしの攻撃態勢に、石田くんは驚きます。一方の一護はそれにも動じず、ウルキオラのすぐそばを取ります。はっと振り返るウルキオラ。探査神経を完全にすり抜けた一護の動きに目を瞠り、その動きは最早瞬歩ではなく、響転だと断じます。
その隙に一護は先程奪い取ったウルキオラの腕を抛りますが、ウルキオラも即座に雷霆の槍で弾き返します。その勢いのまま至近距離から一護を貫こうと槍を持つ手を引き絞ります。そして突き出そうとした瞬間、一護は雷霆の槍を掌で受け止めます。受け止め、掌でウルキオラが込めた力を握り潰してしまいます。握り潰された力は大きな衝撃と爆音となって辺りに放出されます。その爆風の中にあって一護はウルキオラの眼前に迫り、左肩から袈裟掛けにウルキオラを叩き斬ります。
離れたところで二人の戦いを見守っていた石田くんと織姫ちゃんでしたが、ウルキオラの血が雨のように注ぐのに言葉もありません…。ただ「倒…した…」と石田くんが短く呟くだけでした。
虚夜宮の床に横たわったウルキオラは「………くそ…っ」と短く吐きます。そして自分を見下ろす一護に「まさかこの俺が…虚と化した人間などにやられるとはな…… 滑稽な…話だ…」と零します。その言葉が終わるや否や、ウルキオラの横顔(横顔というより耳のあたり。顔の側部…?)を一護は足で抑えつけます。右足でウルキオラの横顔を踏みつけた格好のまま、仮面から伸びた二本の角の間に力を集中させます。虚閃を放とうとしているのでした。その普段の一護とは違う非情な様子に石田くんも驚きます。
「…成程な、容赦はなしか。虚らしい事だ」一護に足で抑えつけられたまま、心を乱す素振りもないウルキオラ。「構わん。貴様に敗北した俺に最早意味などありはしない」「やれ」言い放つウルキオラの顔は、一護の放とうとする虚閃の光に照らされます。
虚閃にはなお一層の力が凝縮されます。…やがて虚夜宮一帯には、大きな爆発とともに轟音が鳴り響きます。今週はここで了。



本格虚化一護、強いですねー。ううむ、藍染とどっちなんでしょう?空座町行ってたら、一発で片してくれそうな勢いでした。
一護がウルキオラの顔の側部にどかっと足を乗せるシーンに、虚化前と後の内面の違いをまざまざと感じたりしました。
ウルキオラもなかなか強いので、#1のスタークはどれくらい強いのかなーと想像したりしてました。ウルキオラ…死なないですよねえ?(あれ、ヘンな日本語。)なんか大丈夫な気が勝手にしてるんですが。(汗)

*1:本文では漢字表記。てへんに宛の字で「もいだ」になっています。環境依存文字とのことでしたので、補注をしておきました。

*2:本文傍点あり