WJ2009年1号。※ネタばれがありますので、ご注意下さいね!引用は「」もしくは『』抜きしています。


ハリベルの従属官たち三人が自ら落とした左腕がひとつに融合し、渦を巻いていきます。その様子を固唾を呑んで見守る乱菊さんと雛森ちゃん。
渦は次第に大きくなり、やがて頭に鹿の角のようなものを生やし、顔は仮面で覆われ、尾は白蛇の姿をした逞しい体つきの異形のものが現れます。
「『混獣神(キメラ・カルパ)』」と呼ばれたそれは、解放状態のアパッチ、ミラ・ローズ、スンスンの左腕を融合させ生み出したものであり、名を“アヨン”。
アヨンの、なんの色も伺えない顔(仮面)に、乱菊さんも雛森ちゃんも慄然として立ち竦みます。顔に汗を滲ませる乱菊さんは、『何……? この…寒気…… なにか…底の見えない深い穴を 覗き込んだような――…』とアヨンを前にして喩えようのない恐ろしさを感じています。
生れ落ちたアヨンは周囲をゆっくり見まわすようにし、ふと何かを感じ取って動きを止めたかと思うと、誰の命を受けたでもなく、乱菊さん目掛けて襲撃してきます。はっとした乱菊さんは咄嗟に灰猫を構えますが、間に合いません!灰猫の刀身が消え灰になるより先に、アヨンの手刀は乱菊さんの脇腹を抉り取ります。。攻撃を受けた乱菊さんも、そばで見ていた雛森ちゃんも、右脇腹のほうに目を向けますが、何が起こったのか解らない――解ったと了解したくない・信じ難い光景です。。
自分が手にしているものを首を傾げて眼(仮面のうろがあるだけで眼は描かれていないのですが)を遣るアヨン。アヨンの大きな手には、先程抉り取られた乱菊さんの右脇腹が…。
「あァ、言い忘れてた」*1「アヨンは死ぬほど強いから 気をつけろよ」口の端をニィと上げ、言い捨てるアパッチ。
意識を失い、グラッと後ろに倒れる乱菊さん。アヨンの攻撃を受けた脇腹から血飛沫が飛び散ります。
乱菊さん!!!」と必死に叫ぶ雛森ちゃん。


一旦場面は変わり、いろいろと叫び声を上げながら、吊り針のように切っ先が褶曲した方を力任せに振るうリリネット。それを、高架水槽に座したまま、額の前辺りに翳した刀の峰で受け止める浮竹さん。
リリネットは必死ですが、そうであればあるほど浮竹さんは困った表情を浮かべます。
尚もがんがんと闇雲と思えるほどリリネットは刀を打ち込み、更に蹴りまで加えようとします。が、浮竹さんは「縛道の八 “斥(せき)”」を唱え、蹴りが飛びこんできた左腕に鬼道で小さな円をつくり、リリネットの攻撃を弾いて防ぎます。浮竹さんと間合いが離れたリリネットはすかざず頭にかぶった格好になっている仮面の左眼側から虚閃を放ちます。
自分に向かってくるリリネットの虚閃をまっすぐに見据える浮竹さん。
バンッと大きな破裂音がし虚閃は消え、「…ウッソ……」と唖然とするリリネット。
リリネットが目を向ける先には、水槽の上にすっと立ち、右手だけで虚閃を消し飛ばした浮竹さんの姿がありました。
かすかに燻る煙のなか、俯いて「俺は今まで何百という虚閃を見てきた…だから言うが」と静かに言葉を始める浮竹さん。「君の虚閃は未熟だ 大虚のそれにも及ばない」「今みたいに素手でも叩き消せる程にね」と淀むところのない浮竹さんの言葉に、リリネットは茫然と座りこんだままです。
「悪いことは言わない もう、帰りなさい」*2「これ以上 君を相手に戦うことは俺には耐えられない…!」浮竹さんは眉を寄せ、苦しく悲しそうな目でリリネットを見遣ります。「鞠でもついてなさい!」と言っていたときの表情とは違い、真摯にリリネットとは戦えないことを伝えます。
眉を顰め、浮竹さんを見据えるリリネット…。自らの窮地を理解しつつも、引き下がる目の色ではないようでした。。


再び戦いの場は、乱菊さんや雛森ちゃんたちのほうへ。
意識を失い落下していく乱菊さんを必死に追いかける雛森ちゃん。やっとの思いで乱菊さんの袖をつかみ、そのまま縛道の三十七『吊星』を唱え、膜のように広がった鬼道の端々から数本細長く伸びた部分を支線にし、中央の幕のような部分にふたりとも落ちます。
「まっててね 乱菊さん!! すぐ治すから…!」必死に声を掛けますが乱菊さんの呼吸は荒く、雛森ちゃんは乱菊さんがあり急を要する状態であることを察知します。
吊星の幕の上で手をつき乱菊さんに治療を試みようとした雛森ちゃんの前には…アヨンが…。はっとした雛森ちゃんは咄嗟に飛梅の柄に手を掛けます。同時にアヨンも雛森ちゃんに拳を差し出していました。
アヨンの大きな一撃が雛森ちゃんの腹に命中し、雛森ちゃんは自分の中が砕ける音を聞きます。
薄れる意識の中、『あたしも…乱菊さんも…一撃… めちゃくちゃだ… こんなの…勝てるわけないよ……』と心中呟く雛森ちゃん。
落下していく雛森ちゃんの傍らから「吊星」を唱える声がします。吉良くんです。先程と同様に吊星に受け止められる雛森ちゃん。
朧な意識の中、雛森ちゃんが脇に目を遣ると、アヨンの動きを長い鎖が封じています。修兵の風死でした。侘助を携えた吉良くんもいます。
「…よく頑張ったな 少し休んでろ、雛森」「こいつは… …俺たちで片付ける」風死を手に修兵の力強い言葉。今週はここで了。



乱菊さんがアヨンにやられてしまうシーンを見て、ほんと最初目を疑いました。うそでしょ!!?って感じで。なんかそれ以上言葉にならない。。。城郭炎上の後ろで控えてるギンは何か思ったかな、とか考えてみたり。
アヨン、夜中に思い出したらこえー。寝静まった扉の向こうにいるとか想像したら、こわくなれますよ(壊)
「まっててね 乱菊さん!」と一生懸命声をかけている雛森ちゃんの姿が印象に残りました。いろいろ気を回して気の利いたことを言う余裕などさらさら無く、精一杯の言葉が「まっててね」。雛森ちゃんが乱菊さんを励まそうと治そうと一生懸命であることが伝わってくる言葉でした。

修兵や吉良くんの活躍に期待…とは言え、驚きもあり…うーん…



↓なんかこの辺から愚痴みたいになってきたのでスルーしてください…自分用。

浮竹さんとリリネットの展開についても言えますが、わたしは、みんな(死神、破面そしてこれから出てくるであろうヴァイザ―ドのみんな)が戦場にいるってことを忘れてたな…(無自覚だったな)とは、思いました…。
みんなに好かれてるから(乱菊さん人気ありますよね?雛森ちゃんも)とか子供だからとか関係なく、戦いの場では、それに巻き込まれること(引き入れられてしまうこと)、誰かが負傷することに容赦はないんだということを描こうとされているんでしょうかねえ。。。
伊江村さんや荻堂さん辺りがどっかに潜んでて早く乱菊さんや雛ちゃんを治してくれたらいいのにな、と思いました。
というか、虚圏と尸魂界、出くわせば戦いになるんならもう別個に暮らしとこうよ(……そんな身も蓋もない…汗)
なんかN/H/Kの映像の世紀とか観た後のような気分(そこまでないけど)な今週号…で…したー…。考えすぎ…?でも乱菊さんの負傷の具合が…(泣)ほ…ホネ(以下略…)見えてるよーっ(泣)十数年くらい前に私が読んでたバトルもんとかは、からだまっぷたつになっても傷口はベタとかアミとかでしたもんねぇ。。。だから読んでてもこっちは痛くないわけなんですよねー…。考えないというか。
あ、どっちの描き方がよくてどっちが悪いとかっていう話じゃないんですよ、後者は私のただの回想です。。。
乱菊さんたちも持ち直す先行きが用意されてないと、乱菊さんファンの友達に今週のネタばれ話できないじゃん!!(叫)とか思いつつ

*1:原文では「あァ」の後には読点はありません。

*2:原文に読点はありません、任意で付してすみません