WJ25号※ネタばれがございますので、ご注意くださいね!引用は「」もしくは()抜き、任意で句読点を付しています。

バラガンの体から噴き出す焔*1は、荒れ狂うように立ち上り、バラガンの姿を覆い隠していきます。目の前で起こっていることに、砕蜂は「…な…… …何だ……」と愕然とするばかりです。
やがて現れたバラガンの姿は、もはや先刻までの彼のものとは大きくかけ離れていました。骸骨の顔、先程の焔を纏ったかのようないでたち…冠せられたかんむりだけが、解放前の姿を思わせるのみ。骸骨の顔は、「生」からは遠い印象を受けます。
瓦礫の散る中、大前田も砕蜂もバラガンの変貌に驚き目を瞠るばかりでした。
愕然とするふたりをよそに、バラガンは立っていた建物の上を静かに歩み始めます。すると、バラガンの歩いたところは、たちどころに脆く崩れ落ちていきます。そのことに驚愕している砕蜂にバラガンは言い放ちます。「儂の司るものは“老い” あらゆるものは儂の傍から老い・死に絶えてゆく」
そして骨だけに変じた手のひらを少し離れた砕蜂に向けます。
一瞬にしてただならぬ脅威や恐れを感じた砕蜂は、「や…野郎…何しやがる気だ…」と身構えようとする大前田に「逃げろ大前田!! お前の敵う相手じゃない!!!」と咄嗟に叫びます。「へ…」砕蜂の言葉に目を丸くする大前田…。
同じく砕蜂の言葉を聞いていたバラガンは「貴様もだ、隊長格」と骨だけの手を構えます。
「“死の息吹(レスビラ)”」
静かに放たれた一撃は、バラガンの周囲に光のように放射状に広がります。一方、その端々は暗い色のゲル状の物質のようで、じわじわ広がり辺り一帯を浸食するかのように覆っていきます。
砕蜂が目を遣った先にあった電信柱にも、バラガンの“死の息吹”が迫ります。そして“死の息吹”に触れるや否や脆く砕け散っていきます。そのさまに“死の息吹”の力を察知した砕蜂は、すぐさまその場を離れ、息吹から逃れようと空中を移動します。
が、“死の息吹”は砕蜂の左手に迫り、触れます。忽ちにして砕蜂の手は肉を削がれ、骨だけと化していきます。その事態に砕蜂は一瞬凝っと目を瞠ったままでしたが、自分の身に起こったことを自覚し、「うああああああ」声を上げます。その間も“死の息吹”の浸食は、手から手首…そして腕へと這い上がってきます。
「大前田!!」「大前田っ!!!」と砕蜂は離れたところに避難していた大前田を呼びます。
「私の腕を斬り落とせ!!!」「隊長…!」砕蜂の命令に大前田は言葉を詰まらせます。
「早くしろ!!私を殺したいのか!!!」もう一度叫んだ砕蜂の言葉に大前田も、砕蜂の手を以てしても最早ほかに手立てのことを悟り、「く…」と呻くようにして砕蜂のほうに駆け出します。「くそォっ!!!」苦渋の表情を浮かべ、大前田は隊長の腕を斬り落とします。
無残に転がった腕は、たちどころに骨と化していました。愕然と凝視するばかり砕蜂と大前田。
「…フン」そんな二人の様子に、バラガンは軽く嗤いを洩らします。その声に気づいて砕蜂と大前田は振り返ります。
「…滑稽じゃな。死神でも、死には恐怖するものらしい」
バラガンのそのひと言に、悔しさを滲ませる砕蜂

一方、日番谷くんとハリベルの戦いも激しさを増していました。
ハリベルの大刀から放たれる激流を氷輪丸で受け止め凍らせ、その氷でハリベルへ反撃を撃つ日番谷くん。そしてその氷を刀で一瞬にして粉砕するハリベル…。
砕け落ちる氷の奥から「…舐めるなよ。とっくに理解できてる筈だろ?」と日番谷くんが話し始めます。「氷雪系の斬魄刀を持つ俺にとって、全ての水は武器にしかならねえ。その水がてめえの武器だとしてもな」「ただ水を自在に操るだけじゃ、いつまでたっても俺には届かねえぞ」離れたところに立っているハリベルを見据え、言い放つ日番谷くん。その言葉に「届くさ、すぐにでも」とハリベルは冷徹に返し、「見たければ、今、見せてやろう。来い」と刀を構えます。
「…そんな挑発に乗って、間合いを詰めると思うのか?」日番谷くはハリベルを睨むと、「それが舐めてるって言ってんだ!!」と声を荒げ、氷輪丸を振り翳します。
「舐めているのはお前の方だ」迫りくる氷輪丸の攻撃にも動じず、ハリベルは呟きます。すっと刀を振り上げ氷の竜をまっすぐにとらえると、「“灼海流(イルビエンド)”」の言葉とともに、ハリベルの刀からは熱波が放たれ、氷輪丸の氷を打ち砕き溶かしていきます。
「私の水がお前の武器になり得るのなら、その考えに至った瞬間に、逆の可能性にも至らなければならない。それが戦いの鉄則だ」ハリベルが淡々と語る間にも、“灼海流”の熱は氷輪丸の氷を溶かして水となしていきます。
「“断瀑(カスケーダ)”」氷輪丸の氷を溶かした水とハリベルの刀が繰り出す水、それらは一体となり、瀑布のようになって日番谷くんのほうへと叩きつけられます。今週はここで了。



ほ…ホネホネ描写に、あわわわ…となりながら読んでました。。
今号は、砕蜂の隊長としての姿、大前田の副隊長としての姿がよく描かれてて、そこが好きでした。
ジオ=ヴェガ戦でいろいろと手厳しいことを砕蜂は言ってましたが、死の息吹の威力を瞬時に察知し、大前田に逃げろと咄嗟に叫ぶ姿に、大前田のことも案じている様子を見て取ることができよかったですねえ。その直後に大前田がちょっときょとんとしてますが、砕蜂の思い懸けない言葉に驚いたのでしょうか。
一方、砕蜂に腕を斬り落とすよう命じられ、最早一刻一寸の猶予もないと悟った大前田が砕蜂のほうへ駆け出す姿に覚悟みたいなものを感じました。

…それから気になったのが、185ページの4コマ目の日番谷くんの顔と、おなもみが爆発したみたいな氷輪丸の柄…(泣)絵が小さいから仕方ないとは思うんだけど・・!(涙)

そして、そろそろスタークと京楽さん、リリネットと浮竹さんもばーんと出てきてほしい…な……しかし…出てきたら、戦いなんだろうなぁ。。。戦い以外に死神と破面は方法ないんですかねぇ。なんだそりゃですが。。。

*1:作中ベタだったのと、柱の「禍々しき焔」って文言に、私自身は勝手に黒とイメージしました。。。が、焔ならやっぱり赤?