WJ27号※ネタばれがありますので、ご注意下さいね!引用は「」抜きしています。

拳西さんや白ちゃんの霊圧消失現場へ平子たちが急行したその夜、高い月の下で鼻歌混じりに辺りを散歩する京楽さん。見廻りの二人の隊員たちに出会います。こんな時間にどうしたのかと訊ねられ、「いやぁ ちょっと寝付きが悪くてねぇ」と笑顔で返したかと思うと、ちらりと近くの建物の2階のほうを見遣ります。そこには廊下を行く藍染の姿が。少し気まずそうに頭を下げる藍染に京楽さんも編み笠の端を傾け返します。そして周りにいた見廻りの隊員にも聞こえるか聞こえないかの声でひと言・・・「・・・考え過ぎだったかな」と。訊き返す隊員に「藍染副隊長も 寝つけないみたいだねぇ」と階上を仰ぎます。それに気づいた見廻りの隊員たちは深々と藍染に挨拶をし、京楽さんも彼らに挨拶されると八番隊隊舎に戻ってきます。
そこで出会ったのは「鈴生姫」という大きな本を抱えた眼鏡をかけた女の子。幼い頃の七緒ちゃんでした!自分の名前を覚えてもらっていた七緒ちゃんは驚きながらも「憶えて頂いて光栄です!」と京楽さんを見上げます。毎月一日にはリサちゃんと読書をするのがきまりのようで、今晩もリサちゃんを訪ねて来たようでした。(京楽さんに会うのも楽しみにしているようです。かわいいなぁ。)そんな七緒ちゃんに「そっか でもゴメンね リサちゃん今夜はいないんだ」と告げる京楽さん。心配そうに「どうしてですか」と半ば言い募るような七緒ちゃん。「大事な仕事でね」京楽さんのかける言葉を不安そうに眉を寄せたまま聞き入る七緒ちゃん。「大丈夫 明け方までには戻ってくるよ きっとね」
同じ月の下、京楽さんの言葉とは裏腹に血まみれになって宙を舞い、地面に叩きつけられるリサちゃん。そのリサちゃんに尚も攻撃をしようと向かってくる虚化した拳西さん。その拳西さんの左肩に一撃が飛びます。瓦礫の下からローズが放った一撃でした。「やめなよ・・・拳西は・・・女の子に手を上げるような・・・弱い男じゃなかったでしょ・・・」と息も途切れ途切れに言うローズ。攻撃を加えられたことに憤怒したのか虚化した拳西さんは怒号を上げながらローズに向かっていきます。そこへ、「縛道の九十九!!「禁」!!!」とはっちんが指を組み、拳西さんを縛道によって背後から抑えこみます。「九十番台詠唱破棄か さすがやな」と声をかける平子に「ちょっと・・・無理してマス・・・・・・」と息が上がっているはっちん。
拳西さんの動きを封じ、辺りは静かになり、みんなで拳西さんのまわりに集まります。鬼道でどうにかならないのかと平子ははっちんに訊ねますが、原因が判らないため手の施しようがないと言われます。そこへひよ里ちゃんの苦しそうな咳。咳き込むひよ里ちゃんを見て「何やねんひよ里 大丈夫か?」と抱えたひよ里ちゃんを気遣う平子。はっちんにとりあえずひよ里ちゃんから治してくれと頼む平子でしたが。。。苦しい息の下ひよ里ちゃんは、平子に何か言いかけます。「放………せ」と声を振り絞るやいなや、自分を抱えていた平子を左肩から斜めに斬りつけるひよ里ちゃん。言葉を失う一同の目の前で、咆哮をあげながら虚の面に顔を覆われた姿になってしまったひよ里ちゃん。急いでひよ里ちゃんのもとに駆けつけようとしたリサちゃん、羅武。駆けつけようとしたそのとき、辺りはキ………ンと高い音を残して闇に沈み、はっちんも羅武も驚いて目を瞠ります。その直後、仲間たちのやられる声を聞き叫ぶ羅武も背後から刀を浴び倒れます。・・と同時に闇と化していた空間は砕け、倒れる羅武の後ろに、衛島さんや藤堂、笠城と一緒に拳西さんに付き従っていた男の姿が現れます。背には「六車九番隊」の文字。ひよ里ちゃんの刀を受け、地面に伏していた平子は顔を上げ、男を見上げます。顔をおおっていたマスクを外し出てきた男の顔は「…東仙………!」と目を見開く平子。そして「なんでや…お前…拳西を…自分とこの隊長を…裏切ったんか…!?」と怒りに顔を歪めます。
その平子の後ろから掛かる冷静な声。「裏切ってなどいませんよ」その声に愕然とする平子。「彼は忠実だ ただ忠実だ」背後に近づく声に目を見開いたまま視線を遣る平子。
「僕の命令に 従ったに過ぎない」そこにあるのはまだ若いギンを伴った藍染の姿。
「どうか彼を 責めないでやって下さいませんか―――平子隊長*1」いつもの目じりの下がった穏やかな表情とは違い、冷徹そうな笑みを薄く浮かべる藍染
「…藍………染…!!」怒りと憎しみを露わにして振り返る平子。今週はここで了。



あのもじゃは東仙だったんだ・・・!とかいうのもありますが、とりあえず順番に感想とか毒吐きを。。。

京楽さんは藍染になにか異変のようなものを感じ取っていたんですねえ。。。
小さいななちん、かわいいですねー!小さいときから京楽さんを尊敬して大好きだったんですね。かわいいなあ。抱えてる本は「鈴生姫(すずなりひめ?)」って書いてあるので、童話みたいなものなんでしょうか。そんな本をリサちゃんと毎月一緒に読んでたんですねえ、ななちん。ななちんにとって、リサちゃんはやさしいおねえさんだったんだろうなぁ。それなのに、一夜で・たった一夜にして、そんな月に一度のリサちゃんとの楽しい時間が奪われてしまう、失くなってしまうなんて・・・まさにやるせないです。悲しくなってきた。。。きっと幼いななちんは、今まであった楽しかった時間と、今はもう失くしてしまった楽しかった時間をうまく縫い合わせて今現在を進む、なんて絶対大変だったはず。。。リサちゃんがいなくなってしまったあとは、贖罪の意識もあってか京楽さんが本を読んであげてたのか・・・?京楽さんも、きっと行かせなきゃよかった、って自分を許せなく思ってそうですね(泣)もーやだぁー悲しいことばっかりだー。(大泣)
そして、あのもじゃさんは東仙だったんだなぁ。どーしてひとりだけ名前が明かされんのやろ?とは気になっていましたが、なんかうまい展開だな、とちょっと感心してしまいました。てか、東仙、そのカナダ国旗ヘアでいいの?
拳西さんを刺したのは東仙なのかな。24号で振り返ったとき「て…めぇ…」って言ってたときに拳西さんの感じから察すると、藍染とかみたいにあまり関わりがなかったと思われる人じゃなくってもちょっと身近な人物なのかな、って気がしたので。それに一瞬にして辺りが闇に沈んでるような背景だったから、清虫なのかな、っても思いましたし。てーことは、白ちゃんを虚化させたのも東仙なのかー…?!東仙、結構好きだったのに!(泣いていいんだか怒っていいんだか…!とりあえず泣いとこうっ)
このあと、きっと東仙は九番隊の新しい隊長になるんしょうね。そしてややあって修兵がやってくる。東仙は目が見えないから修兵の頬の69の文字は見えないと思いますが、藍染とギンは見えてるはず。拳西さんに刀を向けたのが東仙かどうかまだわかんないけれども、それでも拳西さんを裏切った東仙の下で一生懸命頑張る修兵を、二人はどんなふうに思ってたのかなあ。何とも思わないのかな。それさえ楽しんでたのかな。(泣)うわわ、こーゆー発想の自分のほうがやばいのか!!?
ななちんも修兵も、自分が小さい頃にもらった憧れとかを今もずっと自分の中に大事にしてる・大切に留めてるんだな、と思うと切ないですね。カラブリの中でななちんが雛森ちゃんに向けて「また一緒に本でも読みましょうね」みたいにコメントしてましたが、リサちゃんと本を読んでたこととつながってるのかなぁ。昔リサちゃんがしてくれたことを、今度は自分が、みたいな気持ち…。

P118で東仙が隠していた顔を現したとき、平子が「なんでや…お前…拳西を…自分とこの隊長を…裏切ったんか…!?」と声を振り絞ってる場面。「拳西を…自分とこの隊長を…」と言い換えてるところに、「自分(平子自身)の仲間を」という強い気持ちが現れているように感じました。きっと平子たちはお互いの隊の雰囲気も、仲間を通じて知っているんでしょうね。だから六車九番隊の名を背負った四人を拳西さんがとても信頼していたことも窺い知っていて、その信頼を裏切ったことを許せない思いが強く滲んでいるように思えました。あくまで私は、ですが。平子、やっぱり大好きだー。
ひよ里ちゃんの一閃で横髪がぱらぱらと切り落とされてしまうんですが、なんかそこも切なかったです。

*1:「平子隊長」の部分に傍点あり。