WJ24号※ネタばれがありますので、ご注意下さいね!引用部分は「」抜きしています。

残された10着の死覇装に愕然とする拳西。「10着だとなんかあんの?」と後ろから問いかけた白ちゃんに拳西は先遣隊に出た隊員たちの数と同じだと、汗を滲ませながら答えます。その死覇装は脱いであっただけだと言い募る白ちゃんに、「オビ締めたまま どうやって死覇装脱ぐんだ!?」「草履はいたまま どうやって足袋脱ぐんだよ!?」と、答えます。流魂街で続発する魂魄消失事件と同じ様相を呈したこの一件に、拳西は九番隊の精鋭たちに中央への連絡、十二番隊に研究員の派遣要請、この地での野営の準備を機敏に指示します。この魂魄消失の一件がいずれ瀞霊廷にも及ぶものと考えた拳西は、そうなる前にここで一連の魂魄消失の首謀者たちを倒す意を表します。
へたりこんだままの少年ふたりとつっ立ったままの少年の頃の修兵に、拳西は日のあるうちに家に帰るように告げ、体を翻します。死覇装からのぞく拳西の鳩尾あたりには「69」の文字・・・それをしっかりと目に焼きつけているかのような少年の頃の修兵。
そして場面変わって十二番隊舎。ひよ里ちゃんがマユリさんの手伝いをしていると、遅いとマユリさんから文句が零れます。それに席次は自分のほうが上だと怒り出すひよ里ちゃん。それに技術開発局では自分が副局長でひよ里ちゃんが研究室長だから自分のほうが上だと淡々と告げるマユリさん。目を血走らせて「喜助ェ!!!!」と我鳴る(?)ひよ里ちゃん。そこに何やら肩に担いで浦原さんが現れます。ひよ里ちゃんにそれが何か尋ねられ、「新しい義骸の試作品っス」と答える浦原さん。朝の平子の「人の形を保てなくなって 魂魄が消えるんじゃないか」という話をもとに、「分解しかけた魂魄をもう一度人型の器に入れれば 魂魄は消えなくて済むんじゃないかと」仮説を立て、それに沿い新しい義骸を開発しようとしているとのことでした。
そこへ慌ただしい足音が。九番隊の藤堂(額になにか巻いてる人です)が、拳西の十二番隊への研究員の派遣の要請を伝えにきたのでした。それを受けて浦原さんはひよ里ちゃんに現地に向かうように告げます。「いやや!もっと下っぱ行かしたらええやろ!!」と怒鳴って返すひよ里ちゃんの様子に、呆れ顔の阿近さんが入ってきます。このときまだ小さい阿近さん。でも優秀なようでマユリさんになにか(実験物?)手渡しています。怒っているひよ里さんに現地での採取の必要性とその大切な任務をしっかり任せられそうなのはひよ里ちゃんだけだとなだめます。「頼りにしてるんスよ ひよ里サン」という言葉にひよ里ちゃんは一度押し黙り視線を下に外してから、再び大声で文句を言いながらも現地に向かう用意をしに部屋を出ます。
その夜、野営を張る拳西たち。十二番隊への要請を済ませた藤堂が戻ってきます。拳西たちのほうの護衛を衛島(髪の長い人)に指示された藤堂の目には、「ああ・・・・・・わかった」という言葉とは裏腹に不審な色が。。。
野営の天幕の中では刀をそばから離さず座す拳西の姿が。俯いていた視線をふと外し、白ちゃんを見遣ると仰向けになって胸のあたりをぼりぼりと掻いて寝ています。「なんでこの状況でこんな平然と寝れんだコイツは・・・」と呆れて呟きながらも、はだけた着物の胸元を直してあげます。
そのとき、天幕の外から何かの急襲に遭った隊員たちの声がします。「どうした!!」と怒号を上げた飛び出した拳西さんが目にしたのは、同じ九番隊の仲間である藤堂が刀を手にしている後姿。そして刀傷を負って倒れている衛島らの姿。愕然とする拳西。しかしその藤堂も何者かの襲撃を受けたらしく、その場に崩れ落ちます。敵がまだ近くにいることを察し、残った笠城に刀を構えるよう命じ、天幕の中の白ちゃんに起きろと懸命に叫びます。そうしているうちに笠城も攻撃を受けます。驚く拳西ですが、なにかが迫ってくる気配を感じ取ります・・が、背後から敵の刀が胸を貫きます。敵を振り返る拳西・・・「・・・て・・・・・・めえ・・・・・・」と声を振り絞ります。
一方各隊舎には、隊長の緊急召集と九番隊の非常事態を告げる緊迫した鉦の音が響き渡ります。「九番隊隊長六車拳西 及び副隊長久南白の霊圧反応消失!」との報に跳ね起きる浦原さん。九番隊が野営を張っている現場へひよ里ちゃんが発ったことを知り、急いで駆け出します。「緊急召集です 各隊隊長は即時――」と即時一番隊舎への召集を告げる報は尚も鳴り響いたまま。。。「ボクが行くべきだった・・・・・・・」と胸のうちで後悔の念を抱きながら、浦原さんは道を急ぎます。一方ひよ里ちゃんは何も知らずに現場への道を急いでいました。。今週はここで了。




風雲急を告げる展開にハラハラどきどきですよ・・・!
浦原さんとひよ里ちゃんの間にも少し信頼関係みたいなものが生まれてきてるみたいでほっとしたり、マユリさんやちっちゃい阿近さんが毒舌だったり、十二番隊の雰囲気もおもしろくなってきてるところに、ひよ里ちゃんの霊圧消失現場への派遣が決まりますが、ひとつ処に物語が長くとどまらない展開の面白さ(私みたいな気の弱〜い人にはかなりどきどきなんだけど)、物事の移ろいやすさが表されているんでしょうか。
ひよ里ちゃんの危機に、隊長各位の緊急招集命令も耳に入らない様子で外に飛び出していく浦原さんはかっこよかったですね。浦原さんがたち急ぐ姿と、その合間もこの緊急招集を告げる鉦の音と報が鳴り止まない様が対比的に描かれていて、この召集に浦原さんが来なかったことであらぬ嫌疑がかけられてしまう前触れとかじゃないといいなぁと思いました。

幼い頃の修兵は、拳西さんの強い姿を見て死神になる決意をしたことが仄めかされていましたね。それから、頬にある69が何に起因するかも明かされましたね。むかーしアニメでコンが死神図鑑ゴールデンで修兵を紹介した際に69ってなんだ?って言ってたので、わかったよ!コンちゃん!と思いました(笑)修兵もすごく頑張ったんだろうなぁ、死神になるために。

それから、拳西さん、やられちゃったの!?白ちゃんも!!?と心配です(大泣)しかしながらふたりとものちにヴァイザードとして登場するわけですから、霊圧消失と報じられるも死んだりはしていないんでしょうね。。。虚圏行き?
敵にやられながらも振り返って顔を確かめようとした拳西さんが「・・・て・・・・・・めえ・・・・・・」と口にするんですが、それが知ってる顔だったのかどうだったのか気になるところです。たぶん知ってる顔なんだろうなぁ。
そんな大変な展開ですが、個人的にいちばん好きなのは、拳西さんが白ちゃんの着物の胸元を直してあげるとこでしたっ。なんか臆面もなく照れもなく拳西さんが着物の衿に手を伸ばして直してあげてるので、いつもケンカしたり言い合いしてるっぽいテンポの違うふたりだけど、とっても仲良しさんなんだろうなーと思うと、ハマリました(笑)いやー、白ちゃんが戦場の最前線でも平気で寝れることを描くだけなら、何も着物の衿をはだけさせんでもいいかなーと。(笑)
そんな感じでほのぼのしてるところに仲間の悲鳴が聞こえ、事態が急変するところが、先程も書きましたがひとつ処にとどまらない求心力や、「平穏なとき」の短さを感じさせて、浦原さんたちと同様になんだか切なくなってしまいます。
そしてまた、今回六車九番隊の名を背負った九番隊の隊士たちの名前も明らかになります。衛島さん、笠城さん、藤堂さんってことで出てくるんですが(もうひとりいた不思議な髪型の人は名前出てこなかった)、みんなやられちゃうんですよね。。。先号では名前はなかったのですが、一旦名前が出てくると、この登場人物は○○さん、と認識しようとする作業が頭の中で生まれてなんか覚えとこって気にもなります。名前が出てこないと、あ、すぐ登場しなくなっちゃうキャラなんだな、ぐらいで私の場合終わっちゃうことが多いです。でも出てくると、ああまだ今から出るんだなと考えが切り替わり、そのキャラクターに余白が生まれます。ですが、その六車九番隊の精鋭たちはやられてしまい、その余白もばっさりと切り落とされた感じでした。そこに、なんかこう、現実にも通じるような残酷さを感じ、また・名前ってとても重要なものだとも思い、深い物語だなーと感慨深くなりました。飽くまで私個人の感じ方なんですが。
自分たちに迫る危機に、白ちゃんに懸命に起きろと叫ぶ拳西さんの姿も印象に残りました。ついてくるなと言ったのに!みたいに後悔してる・・・暇もないんでしょうけど、ひよ里ちゃんを行かせたことを後悔している浦原さんと対になってるのかな、とも。隊長が副隊長を思いやってる姿が涙ぐましい今週号でした。。。