#449「希望の花」(小南中心の感想です)

小南が好きなわたしにはつらい切ない回でしたー・・・。この一行に集約されるので以下は蛇足なんですが、ほかに書く機会もないので所感をここに書いてます。


方法より大切な事は信じる力だと嘗て自分が言った言葉を思い起こし、ナルトが平和への答えを見いだすと信じ、託すことを決した長門長門が自分の身を犠牲にして木の葉の里の人々を救おうとするのを、一旦は止めようとするものの、長門の意を汲み、制止するのをやめる小南。
ナルトに目を向け、『長門を変えた不思議な子』と思っている小南の言葉が切ないです。
一刻一秒と弥彦同様に大切な人である長門が失われていく中で、地に足をつけてる――自分のこれから為すべきことを感じている、切ないたしかさが読んでてかなり胸にきました・・

自来也先生が幼かった頃の自分たちの世話を引き受ける際に「これがせめてもの償いだ」と言った言葉を胸の裡によみがえらせ、その言葉をなぞる長門の姿も切なかったです。長門自来也先生から引き継いだものがあることを感じさせて。
里のみんなが無事なのは、ほんと良かったんですけど。。

長門の居場所を隠していた塔(?)が紙に戻り、一枚一枚剥がれ四方に散っていく様が、美しいんだかはかないんだか祝福の紙吹雪みたいなんだか・・・読んでたら霞んできますよ・・平和ってものはないと信じてた思いから長門が解き放たれた、って感じですよね、絵も言葉も・・・。

長門のなきがらを紙で覆い、同様に弥彦のなきがらも覆う小南。それを傍らで見ていたナルトが「そいつも連れて帰んのか?」と尋ねたのに、小南はペイン天道が弥彦の亡骸で作ったものと教え、「私たちにとっては大切な人……」と言い添えます。その言い添えた言葉が切ない。。。弥彦の亡き後も小南と長門が、弥彦の夢を燈しにして歩いてきた時間を感じさせます。

ナルトにこれからどうするのか訊かれ、暁を抜けることを告げる小南。「私にとっては弥彦と長門が全てだった」と言い、「弥彦の夢…… そして長門の夢、二人の夢がお前に託されたなら これからはお前が二人の夢だ」*1と説くように語ります。
長門がお前を信じたなら 私はお前を信じる。私たち雨隠れは、お前と共に二人の夢を追いかける事にしよう」*2と胸の裡を明かす小南は、まっすぐにナルトを見据えます。
どの言葉もせつない。。。
そのやり方がうまくいくのかうまくいかないのかではなく、長門の意に添おうとする小南の生き方(ありかた)が伝わってきてせつない場面です。盲信とか盲従とはまた違う気がして。
長門や弥彦を大切に想う心を体現する生き方が、小南にとっては、ナルトに夢を託すという長門の最期の意を毀たずそれに添い、その中を歩いて行くことなんだなぁって。。 長門の意に添っていく生き方が、小南にとって、いつもまでもいつまでも長門や弥彦をとても大切に想っていることをあらわす、たったひとつのありかたなのだろうと思うと、長門や弥彦への想いの深さに胸を打たれます。(ああ、やっぱり日本語ヘン)
そして、雨隠れはナルトと共に進んでいくことを決意しナルトに伝えてる小南は、つらかったり悲しかったりする胸中にあって・もうすでに弥彦と長門が残した夢に向かって歩き始めてるってことなんですよね。長門と弥彦の夢を見届けていこうとする決意のたしかさが伝わってきて、それにもなにか込み上げてくるものが・・。

小南の話を聞いて、自身の名やド根性、痛みは「師匠と兄弟子から譲り受けたものだ!!」*3と自分の言葉に力を込めたナルト。小南はそれまで淡い表情でナルトの話を聞いていましたが、その言葉に長門の遺志を継いていこうとするナルトの心をはっきりと感じ取り、自分自身も意を決した顔を見せ、自身の術で紙のばらの花束を作ります。
「今度こそ… お前は散る事のない希望の花であってくれ」と言って、その花束をナルトに差し出す小南。
長門が信じて託した子だから…って感じで少し遠めで見ていた感じのナルトに、長門を介して真につながりができ、ナルトを信じてみようと言った長門の最期の生き方が、小南のこれからの道にたしかに重なった場面って感じがしました。
「今度こそ…」って言葉に、長門と弥彦に先立たれた小南のつらい胸中が窺い知れるようでせつないですね。
紙の花を渡してるとこが、幼少の頃乾パンのお礼にと自来也先生にばらの花を作って「はい、これお礼」と手のひらに載せて差し出してる場面と重なるようでした。
おとなから子どもへ、先人から後進へ、引き継がれ受け継がれつながってくことが随所に描かれてるように受け取ってるんですが、そういう場面場面が好きです。実際の世の中はこんなにうまくいかないかも、なんだけど、誰かが誰かを信じて受け継がれてくってのはいいもんだなぁって思わせてくれる・あるいは自分の中にもこういうもんがあったなぁと思い起こさせてくれるとこが、フィクションと対面するときの良いところなのかなと。読みながら勝手にそう思わせてもらってます。
誰かを大切に思って・そのひとの言葉やあり方が特別に感じられる気持ちは、なんか大きいものだと小南ちゃんを見ながら思いました。・・・それはほかの登場人物を見ても思ってたことなんですけれど。



素で雲を描くのを忘れてましたが(汗)、雨の日に倒れてた長門に傘をさし掛けたことから三人の物語は始まったんだろうな、って、思いながら。


これから小南はどうなるんだろう。暁を抜けるって言っても、あ、そーですかって感じには成らないだろうし・・・。だって残ってる面子が面子だしなぁ。。。簡単ではないことを承知で、自分の身に危険が降り掛かるのも承知で、それでも長門たちの夢を追おうと思ってるってことなのかなぁ。。「弥彦と長門が全てだった」って、こういうことなんでしょうね。。はぁぁ〜せつないなぁ。

流れ的には、今まで(嘗て)の暁のメンバーと木の葉との戦いと、今の展開を実はうまく結べてないんですが、小南ちゃんだけで考えたら今回はかなり印象深い回。誰も見ちゃいないと知ってんのに、こんなに長い文をすごい時間かけて書いてるあたり。(苦笑)たぶん今回は、今までの中で一番かくのに時間かかった気が。月曜火曜は体壊してPCどころじゃなかったですけど。
駄文(と駄絵)でしたが、ここまでお付き合いくださった方がいらっしゃいましたら、心から感謝いたします。

*1:任意で句読点を付しました。原文にはありません

*2:任意で句読点を付しました。原文にはありません

*3:原文では「師匠」と「兄弟子」に傍点がうってあります